ケガの功名


「でさ、まゆこさん。何で会社で転んだの?」

「たまたま、ミーティングルームが埋まってたのね。
外の喫茶店でミーティングしようってことになって
 エレベーターまで行ったら、点検中だったの。」






「で?」

「それで階段使おうってことになって・・・。」

「で、こけたワケね。」

「転んだんじゃなくて、滑ったのよ!!」

「ふ〜ん。その時、誰が一緒だったの?」

「あの・・・電報堂の山口さん。」

「(あっ、俺のライバル、プリンス山口め〜〜〜。)」

「律、目が・・・怖いよ?」

「えっそう?(しらじらしい?)助けてくれなかったの?山口さんは。」

「山口さん、私のこと引っぱってくれたのよ。」

「じゃ、ヤツの力不足?」

「違うの。思わず押し返しちゃったの。」

「はぁ!?何で?」

「だって、くっつきたくなかったから。」

「で?こけたんだ?」

「私の『男性嫌い』知ってるでしょ?」

「よく知ってる。」



私が捻挫してるっていうのに、なぜだか上機嫌な律。
笑いたいのを我慢してるのか手元が震えている。


「ほら、笑ってないで。ちゃんと包帯巻いてよ。」

「ははは。ごめん。笑ったら緩んじゃった。巻き直すね。」


はぁ・・・。律は、あと何回、包帯を巻き直せば気が済むのかしら?

でも、新年早々、幸せだから・・・。
もうちょっと律の「看病ごっこ」につきあってあげようかしら。



-The end-


あやさんから頂きました!
 くわ。律可愛いです。
 おしどりカップルって感じ。
 バランスが取れてる二人なんですよ。
 彼らの雰囲気大好きなんで、即行で奪取ですv
 素敵なお話ありがとうございました。







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