心に闇を抱えている彼の元で
私は師弟関係ならぬ主従関係を築いてる。
暗闇の世界の中に魅入られ、 どこかおかしくなっちゃったのかしら。
闇を纏う彼は闇から生まれでたような暗く美しい姿をしていた。
愛してしまったことは紛れもない事実。
紛い物の光溢れる庭の中に、溶け込んでる私と、
夜から舞い降りたかの人。
月と太陽。昼と夜。
彼が私に魔法を教えてくれたように、
私が最高の魔法をかけてあげたい。
永遠に解けない恋の魔法を。
生まれ変わって記憶を失くしても
私は貴方を忘れない。
思い出すのではなく忘れることはできないのだ。
意外にあどけない寝顔に触れれば、自然と笑みが浮かんだ。
眠っていれば冷たくて鋭い眼差しをくれる人だなんて 想像できない。
作り物のような端正に過ぎる美貌があるだけ。
どうしてだろう。
最初は憎かったはずなのに、 今は彼がいなければ生きられない。
囚われた者が捕らえた人に依存する。
それだけの関係なら単純だったのかしら
私が闇を照らす光なら、これほど似合いの二人はいないわ。
back