じわりじわりと襲い掛かってくる眠りの使者に
 身を任せたら楽になれるのかしら。

 けだるい日々をぼんやりと一日ずつ見送ってる
 それだけの私。
 時々自分が何者なのか
 見失いそうになった。
 壊れかけてることに気づかない振りをするのも
 すぐに限界が来たの。
 必死で探した。
 一生をかけて愛せる大切なものを。
 私が、生きてることに価値を見出せる物を
 必死で掴もうとした。
 流砂を掬い取るように、それは幻夢と等しい。
 けだるさに抗って、手に入れられなければ
 何もかもが嘘に染まる。
 手軽に手にできるものなんて所詮なくしても
 気にならない程度のもの。
 伏せ目がちの目蓋を必死に凝らし、
 自分で、見つけたものこそ、求めていたもの。


 手の平の上で溶けたりなんてしない 
 すっと、体内に溶け込んで生きる為のクスリになる。
 眠りの使者が、霧散して消えていく。
 ぱっと開けて視界は例えようもなく、眩しかった。
 色でいえば金色。


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